読売新聞 2004年9月27日掲載
明日を拓く 九州七県知事フォーラムを前に

地域の財産 再評価

■佐賀県 古川 康知事
1958年、佐賀県唐津市生まれ。
82年に東京大法学部を卒業後、自治省(現・総務省)入り。
自治大臣秘書官や環境対策企画官、長崎県商工労働部長、同総務部長などを経て、2003年4月、44歳で初当選。当時、全国最年少知事だった。
1期目。46歳。


雇用創出で福祉サービス充実

<2003年の知事選で、2006年度までに1万人規模の雇用創出を公約した。売れ残りが目立った県営七ツ島工業団地を1平方メートル当たり年間100円で賃貸に出したところ、企業進出が相次ぎ、約7割が使われるようになった。新たな雇用が期待される>

働く機会を、短期でもつくろうと考えている。特に福祉や介護の分野で増やしたい。例えば、お年寄り向けの施設・宅老所や延長保育、学童保育。福祉サービスの充実にもつながる。
農業については、「作る」から「売る」に転換し、環境保全型を目指す。7月につくった有機農産物などへの販売促進活動の支援制度では、経費の半分までを助成し、農家に「売る」ことを体験してもらう。収益性の上がる農業への移行が必要だ。農産物の輸出もしたい。
林業では、10年間で100万本の広葉樹を植えることにしている。針葉樹と広葉樹の混交林を作り、経済性と環境保全を両立させる。広葉樹の落ち葉が豊かな土壌を作り、川から有明海、玄界灘に流れていく。山や森を再生することは海を豊かにすることにつながる。

<県内には吉野ヶ里遺跡など歴史的文化遺産が多いが、「生かし切れていない」。まず、小中学生に佐賀を知らせ、誇りをもたせるため、農林水産業や地場産業を体験させる「『オンリーワン』のさが体験活動支援事業」を今年度スタートさせた>

佐賀が世界的に誇れるものは焼き物。佐賀に生まれ育った人が、誰の作か分かることが誇りになる。佐賀城本丸歴史館(佐賀市)も世界に誇れるものだ。本丸御殿を復元した木造建築、100人の案内ボランティア、年末3日間以外の開館。ここから新しい文化ができてもいい。
地域に多く残る財産の再評価もしたい。住民が残してほしいと思う建物などについて、県の助成で22世紀に残す遺産制度を設立する。

<不妊に悩む人への支援は、全国で先駆的な取り組みだった。地域の安全を守るために、消防団の権限拡大や一戸一灯運動などの発想はユニークだ>

今後も、佐賀の露出度を増やし、佐賀の品質のイメージを高くしようと思う。
新しいものが佐賀を舞台に広がっていくことを考えたい。夢を持ってもらうことが大切。知名度が上がれば、佐賀に来る人も増えるのではないか。