読売新聞 2004年2月11日 朝刊掲載 知事インタビュー記事
よみうり・西部フォーラム佐賀会議を前に

◆幕末・維新期に光を

「佐賀の歴史と文化は、まちづくりの大きな力となる可能性を秘めている」

注目しているのは、科学や技術などの分野で時代を先取りしていた幕末・維新期だ。「反射炉や蒸気機関車などの製造で、日本を作り、日本を救ったと言えるだけの知識と技能の蓄積。佐賀が最も輝いていた時代」と評価する。

幕末・維新期のように「花開く時代」にできるのが、現代の佐賀だと考えている。
不況などの問題が多い現代を「閉そく感の時代」ととらえる。それを打ち破る“装置”となれるのが、現在、建設中の佐賀市の佐賀城本丸歴史館(仮称)だと期待を込める。

歴史館の八月の完成を機に、幕末・維新期に光を当て、何よりもまず県民に、その時代の佐賀の発想や生き様をより知ってほしいと考える。旧自治省時代に勤務した沖縄県や長野県などの様々な地域の人たちに比べ、佐賀の人は自分たちの歴史と文化について語ることに強い自信を持ってなさそうだと感じている。

「歴史と文化を知る環境が整備されていないからですよ。しっかり理解する機会が増えると、堂々と誇ることができるはず」

葉隠に代表される武士道にも関心を寄せる。武士道は「潔く、ひるまない精神」だと言い切る。自分たちの歴史と文化を知り、再考し、世界に向けて発信していく自信を持つことが、武士道の現代の意味だととらえている。

歴史と文化を生かしたまちづくりの第一歩は、県民がそれらをより深く知ることから始まる。「大人には新聞、子供には学校で、積極的に郷土のことを伝え、教えるべきだと思います」

若い人に勉強してもらうために、入社試験に歴史と文化の問題を出すことを勧める。県庁の採用試験には、県の歴史や文化の問題を出題するようにと、県人事委員会に提言中。県庁で実現すれば、県内の事業所にも提案したいという。

ふるかわ・やすし 1958年生まれ。82年に旧自治省入り。自治大臣秘書官、環境対策企画官、長崎県総務部長などを歴任して、2003年4月から現職。