日時:平成16年11月19日〜21日
主催:全日本大学準硬式野球連盟  
主管:九州地区大学準硬式野球連盟
第22回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会 知事挨拶
「TOPということ、本物ということ」  佐賀県知事 古川 康

ベースボールを「野球」と呼ぶようになった理由(わけ)に、正岡子規の存在が深く関わっていたというのはよく知られている。彼の幼名「升(のぼる)」にちなんだ、「野球(の・ぼーる)」という彼のもう一つのペンネームが、今の野球(やきゅう)につながったという説にはとても説得力があっておもしろいと、いつも考えていた。

ともあれ、野球は今や国民的スポーツである。子どもも大人も、競技として、または親睦としての野球があって、多くの地域で楽しまれているが、実は、準硬式野球というものが存在することを知ったのは、私が大学に入ってからのことである。

そのスポーツ人口のおよそ大多数が大学生で、母校も六大学リーグというのに入っているらしいと聞いて、大学生を引きつける魅力はどこにあるのだろうと不思議に感じていたものだった。

そして、わかったことがある。

一つは、「準硬」は、初心者も、甲子園の経験者も、それぞれが学業とスポーツを並立させて楽しむことができるものということ。ホームページには大学のクラブ紹介が数多く掲載されているが、その中に、必要以上に厳しい練習はないが適度な緊張感があるという文章ををみたときは、なるほどと納得させられた。

もう一つは、「本物」ということ。誰でも安心して楽しめるゴム製のボールが軟式として普及した一方で、軟式の良い面に加えて、硬式にしかないものを求めようとのニーズもあって、現在の準硬式のボールが開発・公認されたという。「野球の魅力の一つに、打った時の『カーン』という快音がある。軟式野球ボールは(中略)打った時のボールの音だけは、どうすることもできなかった」と記録にあるが、そこには、野球の醍醐味や本物を求める意識が強く働いていたのだということが、自分なりに導き出した「準硬」の魅力であった。

準硬式野球ボールを「H号」というようだが、「TOPボール」というのがわかりやすいという人も多いと聞く。「本物」と「TOP」、いずれも現代人が最も必要としている言葉だと思っている。

「本物」といえば、今年8月、佐賀城本丸を復元して、歴史館がオープンした。復元した木造建築としては日本最大規模で、できるだけ忠実に復元しており、建物自体も展示物という印象だ。司馬遼太郎氏は、幕末・維新期の佐賀藩をスエズ以東の最も先取的な国家と評しているが、「その時、日本は佐賀を見ていた。佐賀は世界を見ていた。」というコピーには、我が国の「TOP」だったという自負と、施設としても「本物」という思いがあり、何か「準硬」に共通したものがあるのだと気付かされた。

今年、その準硬式野球大会が佐賀県で開催されると聞いて、とても嬉しく思っている。しかも、日本の各ブロックから選抜されたオールスター選手のみなさんのプレーが見られると聞いては、なお心躍るものがある。ぜひ選手のみなさんには、球場高く舞い上がる「TOPボール」に、佐賀県の空の広さを実感していただければと願っている。