佐賀県信用保証協会創立50周年記念誌掲載
「原動力の支えに」        佐賀県知事  古川 康

佐賀県信用保証協会の創立50周年を心からお祝い申し上げます。

昭和29年、佐賀県内に新たに5つの市が誕生しました。それまでの佐賀市と唐津市に加え、現在の行政区域の骨格ができあがった年でした。それから50年、今、平成の合併議論の中で、県内に新しい市や町、新しい行政区域が生まれる予定となっています。
また、その年の佐賀県は、前年の大水の被害で深刻な時期であったと歴史は記しています。私たちの先輩方は、苦境を乗り越えながらも、産業を盛んにし、生活水準を高めるなど、現在の佐賀県を築いていただきました。
今の世代に生きる私たちにとって、感慨や感謝とともに、いろいろな意味を込めて、“50年”という期間の重みを感じています。

そうした中で、経済や産業の活気は、地域の「元気」の大きな要素であると思います。なかでも、日本、そして佐賀県の産業の大部分を占める中小企業の役割は、元気の「原動力」という思いがあります。
中小企業というと、昨年2月に放映されたNHKの「クローズアップ現代」で太さ0.2ミリの注射針をつくっている会社が紹介されていたのを思い出します。その会社では、精密金属加工の依頼がNASAをはじめ世界中から殺到しているそうですが、会社自体の規模は、従業員6名、本当に“町工場”でした。小さな規模でも、技術力で世界の視線を集められるという町工場からのメッセージが、今でも強く印象に残っています。また、「プロジェクトX」という番組では、日本の今を創り上げた人たちの姿を取り上げています。これまでも医療用レーザーメスの開発に携わった会社、大メーカーに伍したバイクメーカーなど多くの人々が紹介されましたが、そこでは、熱い想いで生き抜いてきた中小企業の姿が克明に写し出され、そのたびに感動を覚えています。

こうした企業活動を支えるものの一つが“金融”だと思います。いわゆるバブル経済が崩壊して、中小企業のみなさんが資金を得られない「貸し渋り」といった事象も生まれました。失われた10年といわれますが、金融の機能が正常であれば、中小企業のみなさんの原動力をバネにして、日本経済は立ち直り、元気な日本、元気な佐賀県の姿をもっと早くに実感できたのではないかと考えています。

そのような中で、佐賀県信用保証協会では、その折々の需要に応え、中小企業のみなさんの信用保証に大きな役割を果たしていただきました。今年からスタートしたCLO(ローン担保証券)融資や設備投資支援資金“アタック”などは、みなさんの元気を応援する制度ですが、これらの制度に積極的に支援をいただくことで、企業のみなさんを支えていただいています。

私は、行政の役割は、県民のみなさんの自立的な活動を支えることや背中を押してあげることにあると考えています。そのような意味で、佐賀県信用保証協会は、佐賀県の経済活動を後押ししていただいており、心強く感じています。どうかこれからも佐賀県のみなさんがより元気になっていただくために、協働の精神で取り組んでいただければと願っています。

「50歳」という年は、「知命」といわれます。使命感を帯びるということですが、使命感には、達成感と責任感を伴うことが多いものだと思います。佐賀県、そして日本の原動力である中小企業のみなさんの支えとして、この3つの「感」をキーワードに、これからもご発展いただくように祈念いたしております。
50周年という節目に、今後の期待を込めて、お祝いのことばといたします。