月刊災害補償 2005.11 vol.466
発行日:平成17年11月10日
編集発行:地方公務員災害補償基金
どなたか教えていただけまいか

この原稿が公になるころにはすでに総選挙も終わり、政権の枠組みも決まっているころだと思うが、今回の選挙のとき一世を風靡した言葉に「刺客」というのがあった。小泉総理が郵政反対派しかいない選挙区に送り込んだ候補者の別名のことだ。

ちなみに、みなさんがお使いの日本語ソフトで「しかく」と書いて変換していただきたい。
トップかその次くらいには「刺客」が出てくるだろう。「しきゃく」ではどうか。これはおそらくトップに出てくると思う。
しかし、この「刺客」、実はもともとは「しかく」とも「しきゃく」とも読まない。

正しくは「せっかく」である。ためしに「せっかく」を変換してみてほしい。出てくるでしょ?「刺客」というのが。
もともとは、この「刺」という文字は名詞として使うときには「し」と読み、動詞として読むときには「せつ」と読むというのが正しいらしい(角川大字源による)。もともと「刺」には「なふだ」という意味があり、だから「名刺」は「めいし」と読んでいい。ただ、「刺客」は刺すための人間という意味だから、「せっかく」となるのだ。
 
読み方で気になっている言葉のもうひとつが「増嵩」だ。これは公務員の好きな言葉なので、「公債費の増嵩」などとよく使うだろう。でも、おわかりとは思うが「ぞうこう」ではない。「嵩」という字の中に「高」という字が含まれているし、意味的にもこの字は「高い」ということなのだからつい「こう」と読みたくなる気持ちはよくわかる。

しかし、正しくは「ぞうすう」である。この読みはそんじょそこらの日本語ソフトにはないかもしれない。ちなみに筆者手元のIMEでは「ぞうすう」でも「ぞうこう」でも出てこない。「すう」では出てくるが。だから、多くの場合、答弁作成のときは、手書き入力でこの文字を探しているのではないか。
 「崇拝」というときにつかう「崇」という文字がある。これは「すう」と読む。しかも、意味は「高い、高める」という意味だし、俳優の山口崇さんという人がいるように、これを「たかし」と読む。これと同じだから「嵩」も「すう」なんですよ、というとなるほどという感じになることも多い。
 
去年、京都に行って街をぶらぶらしていたら、すてきな文房具屋さんがあった。その名も「嵩山堂」。もちろん「すうざんどう」だ。うれしくていろいろ買ってしまった。

気になるといえば、災害補償というのもよく間違われるのではないか。

災害「補償」なのか、「保証」なのか、「保障」なのか。

もちろん、補償は「損害を補うこと」、保障は「権利・自由・安全を守ること」、保証は「請け合うこと」ということなのだが、たとえば「アリコの終身医療保障」というのはなぜ「保障」なのだろうか。かかった医療費を払う、というのは「補償」ではないのか。
 ところが同じ終身医療保険でも損保ジャパンの医療保険は、一生涯の「補償」と書いてある。さらには、その損保ジャパンの商品のラインナップの中でも提携しているDIY生命というところの商品は組み立て医療保険の場合、「保障内容」と書いてあって、どうやら損保か生保かで補償と保障という言葉を使い分けしているらしいことに気付く。
ところが、だ。東京海上の、生保と損保の違いについてのネット上の解説によると「生保は経済的損失を補償するもの」、「損保にはいろいろな種類がありますが、中でも傷害保険と所得保障保険は生保に近い保障機能を持っています。」と保障と補償がいろいろ混じっている。

タイムアップ。ここまでしかわからなかった。誰か正しいことを教えてほしい。