| 2004/1/28 読売新聞掲載 | |
| 1/6 立命館大学で行われた知事リレー講座の講義概要 | |
◆県民の満足度、日本一に 夜間運航で空港に活路 知事になってやってきたことを説明します。その一つは(選挙で)マニフェストの中で掲げた「トライアル発注」です。新しい商品や技術を持っていても実績がない企業は、県などに使ってもらえず、売り先に苦労しています。 これまでだれも使ったことのないものを、県が試しに使うことを実現しました。機械・備品など十四品、資材など八品、工法五件です。例えば、酸化チタンを溶液にして外壁に塗ることで外壁の汚れを防止する、新たに開発された技術を使っています。 また、デジタルコンテンツ(情報内容)産業を立地できないかと考えています。アメリカのゲームソフトシェアを見ると日系企業が一番多い。世界のアニメで日本のものは65%のシェアを持っています。日本の中で極めて有力な産業となり得るのではないか。それを佐賀を支えていく産業の一つにできないかと考え、推進しています。 次に佐賀空港の話をします。年間七十三万人が乗るという予測で造ったのに、実際には三十万人しか乗っていません。需要予測が過大で、どうみても七十万人も乗るとは思えないのに、乗るという前提で造ったことが一番の問題です。「七十万人くらい乗ります」と言わないと空港を造れなかったというところが、公共事業としての問題点なのかもしれません。 空港を造るのに二百五十億円かかり、うち国の補助金が百五十億円。やめたら国に返さなければなりません。空港はできてしまっているのだから使うしかありません。 福岡空港の離着陸の回数は横ばいです。飽和状態でもう飛べないからです。 福岡空港と佐賀空港は約五十キロしか離れていないので、アクセスをうまくすれば北部九州都市圏が持っているニーズを佐賀に持ってくることができます。 また(周辺に民家が多い)福岡空港でできないことがあります。夜間の運航です。 今、(民家の少ない)佐賀と羽田間で深夜貨物便を飛ばす計画があります。深夜貨物便は今後の佐賀空港の大きな可能性となり得ると期待しています。国際便も実績を重ねていきたいと思います。 地方主権の国づくりの話です。佐賀県は昨年十月十六日、補助金はいらないと提案しました。補助金は使い道が限られています。そうではなく「自由に使えるお金を下さい」と主張したわけです。 例えば、(補助金で建てた)小学校の空き教室をNPOなどの会議室として使用したくても、建って十年以上たたないと使用できない決まりがあります。 自治体の自由な財源で建てれば、自治体の判断で使えるのです。 「おかしい」と訴えていたら、文部科学省は昨年十二月に、一部、公共目的だったら使ってもいいと、方針を変更しました。おかしいと思うことを国に訴えることが私たちの大切な仕事です。 佐賀県は不妊治療に助成をすると発表し、数十人の人が助成を受けています。一県の試みではなく、国全体でやってほしいと厚生労働省に訴えたところ、来年度の国の予算原案では、助成は全国的なものになります。国もアイデアをほしがっている時代です。国から言われた通りするのではなく、県民の思いが届きやすいところに判断権限があった方が、住民の満足度が高い行政ができるのです。 今やっていることを紹介します。県庁に来た人が、自分の用件に応じてくれる部署がどこか分からないケースがあります。そこで県庁に「さが元気ひろば」をオープンさせました。お客が来たら、受付が県の担当者に連絡し、担当者が「さが元気ひろば」にやってきます。お客は一歩も動かずに相談できるのです。 こんな風に、行政の決まり事に県民感覚を合わせるのではなく、決まり事を県民の感覚に近づけていくことが、県民の満足度の向上に近づいていくものだと考えます。 佐賀県は大きな県ではありませんが、県民の満足度だけは日本一にできると思っています。(1月6日) 〈さが元気ひろば〉 行政情報や相談などについて、県民の問い合わせに県職員が応じる新しい相談窓口。 昨年8月、県庁新行政棟1階にオープンした。 古川知事は「窓口をたらい回しせず、担当者を呼んで応対します」とPRしている。 これまでの相談・情報センターを改善し、相談員を2人から4人に増員。 県政全般や行政情報に加え、新たに女性問題、NPOの担当者も配置した。 相談員でも分からなければ担当者を呼んで、詳しく説明をする。 また、約3000種類の行政資料を閲覧できるほか、設置した5台のパソコンで無料で検索できる。 |