| 発行者 (財)九州経済調査協会 書籍名 九州経済調査月報 2005年12月号掲載 巻頭言 |
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| 九州新幹線西九州ルートに寄せて 佐賀県知事 古川 康 | |
九州新幹線鹿児島ルートの利用が順調だ。去年は開業一年目だからその効果で、というのもわかるが、今年も上半期はそれをさらに4%上回る利用実績。新しい人の流れができつつあると思わざるを得ない。 ところで未開業区間の新八代―博多間。このうち佐賀県に関係するのは鳥栖市だが、佐賀県内の工事区間は11.7キロメートル。新幹線だとわずか3分で通過してしまうくらいの距離だ。しかるにその区間工事費に佐賀県が負担している額は実質145億円。相当な額だ。しかし、だからといって佐賀県が反対して鹿児島ルートを止めさせるべきだったとは思わない。鹿児島ルート全体としては九州の発展のために効果のある事業なのだから、ひとつの県の損得だけで国家または広域プロジェクトの消長が決定されていいことにはならないと私は思う。 西九州ルートも同じだ。佐賀県内の、ではなく、西九州ルート全体としての費用対効果については、事業費用1に対する効果は1.8と、費用対効果が政府によって認められている。しかも、並行在来線の沿線地域に配慮して、JR九州では経営分離区間となる肥前山口から肥前鹿島まで引き続きJRが実質的に事業を継続するという、他の新幹線には例を見ない提案をしている。 また、佐賀県の負担が大きいことに配慮して、西九州ルートの整備のおかげでより大きな効果の得られる長崎県の金子知事は、佐賀県負担の一部肩代わりを表明していただいている。そもそも新幹線の整備事業は、財政的に逼迫した中でめずらしく国と地方との財政負担の枠組みがしっかりしている。この枠組みを活かして新線の整備をしておくことは、佐賀県の将来の県民からも理解していただけると考えている。 もちろん、並行在来線沿線地域に対する振興策も併せて実施していかなければならない。 佐賀県としては、こうした地域に対して、県として考えられる振興策を提示しているし、逆に地元としてはどういうものが考えられるのか、提案してほしいと呼びかけている。こうした振興策を進めていくことと併せて新幹線西九州ルートが着工できるよう、理解を得る努力を重ねたい。 |