SAGAんことからこがんことまで 古川 康が佐賀を語ります 
連載 第9回 日本酒

PROLOGUE

9月といっても最近はあんまり涼しくならないけど秋になると新酒がではじめる。この時期、佐賀県産の日本酒や焼酎の審査会が行われている。それが佐賀県原産地呼称管理委員会主催の審査会。今月はぜひこの制度をおぼえてほしい。
ということで今回は佐賀県の日本酒がテーマ。ちなみに清酒と日本酒はまあ同じ酒といっていいが、お役所の人は清酒といい、僕たちは日本酒ということのほうが多いように思う。

さて、九州といえば焼酎のイメージが強いがその中で佐賀県は日本酒王国。(グラフ1)

グラフ1


まず、覚えておきましょう。「佐賀は九州一番の日本酒県」。ちょっと意外でしょ。


SCENE 01原産地呼称管理制度審査会

佐賀県はお酒に関して日本国内ではとても珍しい制度をスタートさせていて、それが「原産地呼称管理制度」と呼ばれるもの。フランスやドイツのワインはラベルの表示の仕方がきちんと決められていて、そのラベルの読み方がわかればある程度そのワインの質や産地がわかるようになっている。その日本版をワインでなく日本酒と焼酎で佐賀県はスタートさせている。
 日本でこの制度をスタートさせたのは長野県が最初だが、長野県はワインが中心なので、日本酒と焼酎をメインとしたものでは佐賀県がパイオニアだと言っていい。



要するにお酒の専門家たちが、「佐賀県内の米や麦と水を使って佐賀県内で醸造された日本酒や焼酎のうちおいしいものを認定している」という制度。

おいしいと認定されたものにはこういうマークが張ってある。

春と秋の毎年2回、審査会を行ってそこで認定している。

 全国的に日本酒の消費量はだんだん減ってきており、佐賀県も例外ではないのだが、県内ではこの原産地呼称管理制度が対象にしている純米酒の消費量は伸びている。しかも、この制度による認定酒の出荷が始まった平成17年度から伸びていることがわかる。(グラフ2)



こうした原産地呼称管理制度は日本酒の分野では佐賀県がパイオニア。というか他の県ではまだされてない。なぜ佐賀県で可能だったかというと、もともときれいな水や酒蔵があったということなのだが、それに加えて、地元(県内)産の酒造用の米や麦がちゃんと手に入ることがポイント。
とくにお米はわざわざこのために「山田錦」をはじめとする酒造好適米と呼ばれるお酒造りのためのお米を植えて育ててくれる農家がいてくれることがあってはじめて成り立つ。
 原料の作り手と醸造家のコラボレーションのおかげで佐賀県原産地呼称管理制度は成り立っているのだ。ねっ、すごいでしょ。これからはお店に行ったら「原産地呼称管理制度の認定酒ない?」と聞いてみてね。(名前が長いな。「原産地の認定酒」とか「認定酒」ぐらいかなあ。)


SCENE 02 銀座・季楽(きら)

筑紫哲也さんというジャーナリスト・ニュースキャスタがおられた。惜しくも一昨年亡くなったが、この方が佐賀の酒、とりわけ「東一」(あずまいち)が大好きだった。
 曰く「日本酒多しといえど、東は山形の「十四代」、西は佐賀の「東一」、このふたつが双璧」。日本列島をくまなく歩いた彼の言葉だけあって重みがある。その筑紫さんをオープンしたての銀座・季楽に招待したことがある。佐賀牛をはじめとする料理を大変喜んでいただいたが、ひとつだけ注文をつけられた。それは「佐賀の酒をこれだけ置いてあるのに東一がない!」。

あわてて店ではメニューに追加した。


筑紫さんが愛した「東一」 撮影協力:銀座・季楽

その後も筑紫さんは何度かこのお店に来ていただき、「東一」を楽しまれたという。この銀座・季楽のお酒のメニューは佐賀県原産地呼称管理制度の認定酒のラインナップが充実していてその意味では日本一だ。しかも国産ワイン(さすがにこれは他県産だけど)のチョイスもなかなか。料理に合わせて楽しんでほしい。


SCENE 03 和らぎ水のある酒席

ところで佐賀県をはじめとする九州の日本酒は甘口だとよくいわれるが、佐賀県の日本酒の特徴は甘口も辛口もあること。脊振山系と多良山系は軟水なので甘口の日本酒ができ、天山山系は硬水なので辛口になる。
 それと日本酒を飲むときは水を一緒に飲もう。これを和らぎ(やわらぎ)水という。日本酒はビールや焼酎のお湯割りなどに比べてアルコール度数が高いがその分水を飲むといい。これは、体の中のアルコール分を薄める効果もあるが、お口の中をキレイにすることで、常においしい日本酒、おいしいお料理を愉しむことができる。僕はいつもそうしている。お店の人に「日本酒を燗で。それとグラスに水を。」というだけでいい。ほんとは飲む日本酒の仕込みに使った水と同じ水がいちばんいいというらしい。だったらミネラルウォータとかいわずこの水も売ってくれないかな。


手前が「和らぎ水」 撮影協力:旬の蔵パセリ

そしてついつい乾杯はビール、その後は酎ハイになってしまうというあなたに。日本酒で乾杯しようという集まりがある。その名も「日本酒で乾杯推進会議」。僕も会員だ。会費はただだし、会員になるとこういうカードを送ってくれるのでちょっとうれしい。




今年の夏から、本格的に佐賀の酒、とくに原産地呼称管理制度を知ってもらうための「佐賀SAKE プロジェクト」もスタートした。オープニングイベントの「佐賀 SAKE NIGHTオープニングイベント」が8月7日(金)に開かれ、定員100人に対して200名を超える応募が殺到するという盛況ぶりだったという。これからもいろんなしかけが出てくるのでどうかお楽しみに。


ということで古川康の言うはyasushi、来月は豆腐。ここにも堂々たる日本一がある。佐賀県ってなんて紹介するものが多いんでしょ





「佐賀県原産地呼称管理制度の認定酒」を

◎買える店(酒販店)

【県内】

しめなわ
┗佐賀市駅前中央1丁目10-36 TEL/0952-26-9577
 佐賀駅前のお店の看板には元気に“佐賀ん酒応援団!”の文字が。
 店内にはいろんな銘柄の佐賀のお酒がずらりと並びます。
 お土産選びが楽しくなるお店です。


地酒処 山田酒店
┗佐賀市赤松町7-21 TEL/0952-23-5366
 佐賀城前の佐賀のお酒専門店。月替わりで季節のお酒が試飲できるのが嬉しい。お酒造りにも関わる店長は、認定酒の審査委員も兼ねています。
 (山田商店 九州通信)http://qshu-yamadademaido.seesaa.net/


旭屋
┗佐賀市鍋島町大字蛎久1185(蛎久天満宮前) TEL/0952-20-2234
 佐賀の古き歴史を残す日本家屋で、偶数月の第2土曜日、蔵元参加の日本酒の会が開催されています。
 (HP)http://asahiya.esaga.jp/



◎飲める店(料飲店)

【県内】

旬の蔵パセリ
┗佐賀市唐人町1丁目2-22 TEL/0952-22-3151
 県内のお酒が豊富に揃い、お酒とよくあう“旬”の料理も楽しめます。
 和らぎ水には“蔵元の仕込み水”を提供。お酒と同じ量を飲めば悪酔いしないとか。ぜひおためしあれ。
 (HP)http://parsley.fte.jp/shunnokura/index.html


居酒屋 ふるかわ
┗佐賀市愛敬町一番街2F TEL/0952-26-6380
 佐賀の居酒屋といえばココ!。隠れ家風のお店の扉や壁にはお酒のラベルがべたべた。店主は認定酒の審査委員です。ガニ漬けやイソギンチャクなど、佐賀の珍味もうまい酒のために厳選したものだとか。

さがんれすとらん 志乃 県庁店
┗佐賀市城内1-1-59 TEL/0952-23-7511
 地上11階から眺める佐賀の夜景といっしょにお酒はいかが?
 毎月第3水曜日には「認定酒と佐賀の食材を楽しむ会」が開催されています。
 会費3,000円、蔵元も参加します。


【関東】

銀座・季楽
┗東京都中央区銀座5丁目4-6 TEL/03-5568-7080
 佐賀県原産地呼称管理制度の認定酒が豊富にラインナップ。しかも他県のお酒との違いを丁寧に説明してくれます。最高級佐賀牛と佐賀のお酒で大満足まちがいなし!のお店です。
 (HP)http://jasaga.or.jp/kira/ginza/index.html


(西日本情報センター調べ)


★は「かなりすぐれている」・・・体験する価値がある
★★は「きわめてすぐれている」・・・九州一または全国でも指折り
★★★は「この上ない」・・・日本一または世界一