SAGAんことからこがんことまで 古川 康が佐賀を語ります 
連載 第5回 やきもの★★

今回はやきもの。繰り返し言うが「佐賀県で有名なものは?」と聞かれたら迷わず答えよう。
「海苔とやきもの」。
むろん、どちらも★★★だ。

PROLOGUE

佐賀県のやきものには有田焼、伊万里焼のような磁器と、唐津焼のような陶器の大きな2つの流れがあるが、今回は有田焼を中心に。



やきもの(和食器)の出荷額だけ言うと佐賀県は2位。1位は岐阜県なのだがあまり気にすることはない。なんといっても最高のものは佐賀県のものなのだ。

SCENE 01 皇居・東宮御所

なんで佐賀県のやきものが最高といえるのか。だっていちばんいいところに使われているから。

僕はいろんな用務で宮中に出入りするが、そこでお客様にお茶を出すのに使われているのは有田焼の湯呑みだし、園遊会で使われている取り皿も有田焼。さらにいえば宮中を飾る花を活けてあるのもだいたいは有田焼。
日本を代表する空間にはたいがい使われているということはすなわちそれが一番だからだと思う。
さらには外国に行ったとき、その国にある日本大使館に行くと、だいたいそこの応接間には有田焼が飾られている。


SCENE 02 洞爺湖サミット

証拠がもうひとつある。それは去年の夏の北海道洞爺湖サミットで、有田焼の万年筆「The ARITA」が各国首脳に贈呈されたという事実だ。ペン先は金属だがそれを包むボディーは有田焼。磁器は焼くと縮むので金属と相性があまりよくない。そこを技術的にクリアした日本のものづくりの代表ということで各国の首脳に配られた。



このほか、開催ホテルとなったウィンザーホテルからのおみやげとして北海道のお酒の中で最もいいものを配ったようだ。
そのとびっきりの日本酒が入っていたのは実は柿右衛門窯で作られた「錦桜文瓶(にしきさくらもんびん)」という瓶だった。「最高の日本酒を最高の器に入れてお届けしたい」というのがホテル側の気持ちだったという。

ねっ?なんかすごいって思わん?


SCENE 03 ドレスデン博物館

このすごさは海外に行くともっと。4年前、酒井田柿右衛門先生と一緒にドイツに行ったとき、ドレスデンの国立博物館に行った。そこの東洋美術専門の学芸員の女性が案内してくれたが、柿右衛門先生を見つめる目がうっとりしていてあこがれのスターにでも会ったような感じだった。だって歴史上の様式の名前の人が目の前にいるのだから。



佐賀県が誇るこれだけのやきもの、知らないのはもったいない。だから、ちょっとだけでいいから勉強しておくことと、少しでもいいからやきものを持っておくこと。そのためにも有田陶器市は最高の機会だ。


SCENE 4 有田陶器市

産地だからといって安く手に入るということではないが、佐賀県人はGWの陶器市に行きやすいのは事実。

陶器市に行くべし。


陶器市は毎年4月29日から5月5日まで。曜日に関係なくこの日程と決まっている。
陶器市のスタートはJR上有田駅がいい。というのもここから有田駅方面に向かって道がゆるい下りになっているから。
とはいえ問題はある。途中、コンビニが一軒もないのだ。ただし、トイレはあるのでご安心を。
また、疲れてくれば休憩所もある。穴場はメインストリート周辺のいくつかの公民館。陶器市ガイドマップをよお〜く見ると、目立たないけど「公民館休憩所」と書いてある。
畳敷きなので赤ちゃんのオムツ替えもできるし、高齢の方も寝そべってゆっくり休むことができる。無料だし、超おススメだ。
さて、何を買うか。知っている人は知っているが、ラーメン鉢やら焼酎グラスやら新しい食器を有田の若い人たちが工夫している。陶器市じゃなくてもあちこちで目にすることがあると思う。
僕は家で「究極のラーメン鉢」を使っているけど、これを使い始めたらほかのはもう使えなくなった。持ちやすいしデザインもしゃれている。





SCENE 5 コツがわかる本
やきものの本はたくさんあるけど、入門書としてこれは最適。たとえば誰もが一度は迷う「磁器と陶器の区別はどうやればいいのか?」ということに対しても、「裏が白なら磁器」と簡単に結論づけてくれている。



もちろんほかの要素もないわけではないが、素人としては「要するに」とか「だいたい」というのを知りたいわけだから。
また、この本を読んでいると磁器に一色(青だけ)で絵付けしたものが「染付(そめつけ)」、二色以上で絵付けしたものが「色絵」というのだとわかる。これを知っているだけで「この染付いいねえ」「この色絵どちらの窯のものですか?」などと言うことができる。
こういう表現すると、なんかすごく詳しい人のように見えるではないか。佐賀県人だったらこれくらいは言えるようになっておきたいものだ。


次回は「ハウスみかん」。乞うご期待。



▼ここを観よ
ここは隠れた「日展」会場!?
◆佐賀座ギャラリー
※有田ではないが、佐賀市内にもすごい場所がある。
実力者ぞろいの佐賀県陶芸協会会員。その64人全員の作品が一度に見れる唯一の場所がここだ。東京や大阪からわざわざやってくる人も多い。いわく「日展会場のよう」。3人の人間国宝はじめ、佐賀県が誇る世界最高峰の陶芸家たちの作品が並ぶ。
観覧料でコーヒーとスイーツも楽しめるので超お得。

【住所】
佐賀市呉服元町(アーケード内旧南里跡)
月曜休館、観覧料500円
【電話】
0952-28-4477



▼ここに行け
当たりくじ入り?カップを探せ!
◆ギャラリー有田
2,000個のコーヒーカップがずらりと並び、どれでも好きなカップで飲める。
やはりというか、一番人気は○万円の柿右衛門と源右衛門のカップだそうだ。
さて、この中に陶器市期間中のみ、1日1カップに「当たりくじ」が入っている。よ〜く探してみて!当たった人にはお店から素敵なプレゼント。タウン情報さがの読者にしか教えない情報だ。

【住所】
西松浦郡有田町本町(国道35号線沿い、有田駅から5分)
【電話】
0955-42-2952

(西日本情報センター調べ)

★は「かなりすぐれている」・・・体験する価値がある
★★は「きわめてすぐれている」・・・九州一または全国でも指折り
★★★は「この上ない」・・・日本一または世界一