古川 康の自治省時代から知事になる前までの執筆をご紹介します。
平成11年7月発行 
長崎県産業技術振興財団(技術情報誌)サンテックナガサキニュース
「サンテックとは関係ない巻頭言もたまにはいいでしょ」
長崎県商工労働部長  古川 康
 
 文科系人間の僕がコンピューターを買ったのは、2年前のことだ。まあ、遅くもないし、自慢するほど早くもない。
 きっかけは海外出張だった。当時、僕は自治省税務局にいて、地方税のありかたについていろいろ検討するポジションにいたのだが、フランスやドイツの税制について最近の動きを調べておけということになり、行くことになったのだ。
 正直言って行きたくなかった。ただでさえ忙しかった。毎日深夜までの仕事が続いていた。それが1週間以上も席を離れなければならないことになると、帰ってきたあと苦しくなるのがわかっていたからだ。
 だから、現地での仕事=レポートづくりは、現地で終えておきたかった。そこでラップトップのパソコンを買ったというわけだ。それに外国でも使える携帯電話と出張先のホテルでもメールが読めるようにするためのちょっとした機器類を準備。それで電脳武装することによって安心して出張に出かけることができた。だから、それ以来、少しはコンピューターのことがわかる。でも逆に言えば少ししかわからない。
 こういうユーザーは多いだろうと思う。パソコンは今、「かんたん」を売り物にしている。ところが、それは実はとても難しいシステムの表面を甘いカバーでコーティングしているだけなのだと思う。少なくとも洗濯機よりは難しいと思いませんか。
 だいたいさ、コンピューターを終了するのに、なぜ「スタート」ボタンをクリックしなくちゃいけないだろうか。少なくとも文学的常識からはずれていますな。
 だから、そういうユーザーのためにはサポートセンターがあるわけだが、これがまた問題。そもそもつながらない。コンピューターを買う一番の層は30代の男だと言うが、だいたいその年代の人間は、土日が休みのサラリーマンをしていることが多いだろう。コンピューターの販売店に聞いてもやはり土日の売り上げの方が、平日よりも多いという。それなのに、この手のサポートセンターというのは、土日の体制が弱い。
 手元にある某メーカーのインフォメーションサービスは月〜土(祝日を除く)となっている。しかし、土曜日にかけてごらんなさい。GLAYのコンサートチケットの発売日のチケットぴあ特設電話状態だから・・・・・。とにかくつながらない。売るだけ売っておいて、これはなんだと言いたくなる。
 そして、ようやくつながって話をするのだが、いろいろ話をしてみても直った験しがない。修理に持って行こうにも修理窓口も土日はやっていないことが多い。ひどいところでは平日も、昼休みは閉めているところもある。いったいいつ持っていけばいいのか。
 とまあ、いろいろあるので、長崎県で地域共同のコンピューターサポートセンターを作ったらどうか、という話まである。こちらもコールセンター(石炭のじゃないよ、電話を受けるやつ)を長崎にうまく引っ張り込めないかなという気持ちがもともとあるし、ちょっとおもしろいかなと思っているところだ。
 観光についても似たようなところがある。「長崎に行こうかな」と友だちや家族と話をするのはいつが多いかちょっと考えてみてほしい。土日か夜ではないだろうか。ところが、そういう相談に応じるはずの観光協会というところは夜も土日もやっていないのだ。
 どうやって相談したらいいのだろう、と思いませんか。
 これについては今ちょっとした秘策を勉強中。乞う ご期待であります。