![]() 古川 康の自治省時代から知事になる前までの執筆をご紹介します。 |
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| 昭和62年「地方財務5月号」 | |
| リーディング・プロジェクト入門 前自治省行政局振興課 古川 康 | |
1. リーディング・プロジェクトのできるまで (1) はじめに 通勤電車で新聞を熟読することを常とするような熱心な方ならば、本年1月22日の朝刊に売上税をめぐる攻防や自主トレにおける清原選手の記事に混じって、自治省のリーディング・プロジェクトの記事を見いだすことができたはずである。 自治省にしては珍しいカタカナ施策、しかも採択されたプロジェクトもほとんどカタカナ、見ただけでは意味不明のプロジェクトが9つと、一定の年齢以上の人の中には思わず眉をひそめた人もあったと思われる(事実ひそめた人がいる。) このリーディング・プロジェクトは、昭和61年度と62年度の自治省の重点施策であるが、こうして陽の目を見るまでにはずいぶん内容の変化があった。公表された資料を丹念に追っていっても内容が徐々に変わっていったことがわかる。そこで、本稿では、リーディング・プロジェクトの生いたちからはじめて、今回採択されたプロジェクトの内容までを概括的に述べていくこととしたい。 最後まで読み終えれば、「なるほど」と膝をたたいてもらえること請けあいである。 (2) まちづくり広域リーディング・プロジェクト 昭和61年度自治省概算要求には「まちづくり広域リーディング・プロジェクト計画策定費補助金2,000万円」が含まれていた。 この「まちづくり広域リーディング・プロジェクト」は概ね以下のような内容を持ったものであった。 @ 高齢化等の今日的な地域課題への対応 高齢化等の社会経済情勢の変化を踏まえ、その地域の実情に応じた今日的な課題を地域自らが選定し、戦略的・先導的に対応。 A 地方の特色を生かした地域社会づくり 地方公共団体の自主的、主体的な発想に基づき、地域の特色を生かした個性的・魅力的な地域社会づくりを推進。 B 総合的かつ一体的な施策の展開 各種の施策を横断的かつ戦略的に取り込み、住民の日常社会圏(広域市町村圏)を単位として、総合的・一体的な施策を展開。 ポイントとしては、「今日的な地域課題」を「地域が選定」し、「広域市町村圏を単位として」実施していくものに対し、計画策定費の1/3を補助しようというもので、予算的には 600百万円×1/3×10箇所=2,000万円 とされていたものである。 この段階で明らかなことは、広域市町村圏施策の推進という観点が顕著なことである。言いかえれば、広域市町村圏の活性化のために、その圏内に合った地域課題を設定し、計画策定補助金、まちづくり特別対策事業等を活用しながらその施策の展開を通じて広報行政の進展に資するということを目標としていたということができる。そのことが「まちづくり」「広域」リーディング・プロジェクトという名称にも反映されているということができる。 この補助金実現については、広域市町村圏整備推進協議会、広域市町村圏指定都市議会協議会(会長 泉茂右衛門 湯沢市議会議長)を始め、関係各団体のご支援を得ながらも、予算化されることにはならなかった。 61年度予算は、田園都市中核施設整備計画策定費補助金が昭和60年度限りで廃止されているため、それに代わるものの要求としては予算化されやすい環境にあったということができようが、やはり、国の財政状況の厳しさがそれに勝ったということであろう。 (3)「幻のリーディング・プロジェクト」 そこで、自治省としては、当初の計画策定補助金を別の財政措置に振り替え、「まちづくり広域リーディング・プロジェクト」を推進することとし、推進要綱の検討に入った。 この段階では、構想自体はもとのままで、計画策定費については、特別交付税措置を講じ、事業の実施については、まちづくり特別対策事業の仕組みを活用し、充当率75%に一般分15%を併用するといった措置も含めて優遇措置を講ずることが予定されていた。 ところが内部で検討を進めていくうちに、財政措置等の関係で、措置するのにふさわしい内容とするために修正を加えた。その内容は次のとおりである。 @ 地域課題については、地域で選定するのではなく、全国的に見て、今日的課題であると認めうるものに限ること(ただし、、それは追加又は削除しうること) A 地域課題に対する取組みについて、必ずしも広域市町村圏を単位とする必要はなく、当該課題に対する取組みの仕方として最適のものを地域が選択すればよいこと B これらの条件を満たすプロジェクトについては、最大限地域総合整備事業債(特別分)の充当率を90%(通常は75%)とすること。 これらの内容を踏まえ、推進要綱づくりが続けられた。その過程では、いわゆるアメニティ対策(修景美化)、情報化なども地域政策課題として取り上げるかどうかという議論もなされたが、検討の結果、見送ることとなり、結局、課題は、長寿社会対策、国際都市整備、地域間交流の三つでスタートすることとなった。ようやく、内容が固まってきたのである。 (4)リーディング・プロジェクト推進要綱の成立 こうして昭和61年9月17日付けで、リーディング・プロジェクト推進要綱(案)を各都道府県及び指定都市あてに通知し、リーディング・プロジェクトとして推進できるような構想があるかどうかを報告願った。これは、ある程度内容を持った要綱(案)を示し、出てきたものを見ながら細部のツメを行おうと考えたものである。 その結果、全国各地から110のプロジェクトが寄せられた。中には、リーディング・プロジェクトとしてはどうかいうものも含まれていたが、総事業費10億円以上のものに限っても48プロジェクトという多さであった。 自治省としては、これらも検討材料としたうえで、いよいよ61年12月1日付け自治振第121号により「リーディング・プロジェクトの推進について(通知)」を各都道府県及び指定都市あて通知し、併せて、61年度分の採択のためのヒアリングの日程を連絡した。 ヒアリングは、12月9日〜10日に先に提出のあった構想のうち、61年度にヒアリングを実施することが適当なものに限って実施し、省内で検討の結果、62年1月21日に採択発表となった。 2. リーディング・プロジェクトとは何か (1)内容としくみ それでは、このような経緯を経て決定されたリーディング・プロジェクトとはいかなるものであろうか。 一言でいうならば、リーディング・プロジェクトは、21世紀に向けての重要な地域的課題に対し、地方公共団体が総合的・計画的に行う施策である。その課題はいろいろなものが考えられるが、財政措置として地方の共有財源である交付税措置を行うという観点から、制度的に無制限にするのはあまり好ましいものでなく、むしろ、全国どの地域においても、今後大なり小なり重要な問題となっていくであろうと思われる課題に限定すべきであるという判断のもとに、当面長寿社会対策、国際都市整備、地域間交流の三課題としたものである。 @ 三課題の内容 ア. 長寿社会対策 いうまでもなく、長寿社会対策は、今後、必然的に地方行政が取り組まなければならないものである。高齢化の波は間違いなく地域社会を襲う。このことは、統計的にも確実である。このことに対し、年金・保険など国として解決すべき問題が多いのはもちろんであるが、長くなった人生をいかに充実して過ごすかということについては、むしろ、住民にとって身近な政府である地方公共団体が考えていくべき問題であろう。 60歳定年制が普及したとすると、平均寿命まであと20年は残されている。これをいままでの「余生」感覚ではなく、やっと仕事から解放されたという「始まり」感覚で生きていくことが、これからの主流になっていくであろう。 そのためには、若い時から、「その時」に向けての設計を行っておかなければならなくなるであろう。そういう意味で、長寿社会対策は、単なる高齢者対策ではない。人生80年をいかに充実したものにするか、が問題なのであり、ただ、そのうちの大きな問題として「老後」があるのである。 ただ平均寿命が80年を超えたといっても、その中には、いわば投薬や器具により「死なずにいる」状態が長く続いているという場合もある。 こうした形での長寿化というのが決して望ましいものではない以上、健康という観点を見逃してはならないことはいうまでもない。いわゆるウェルエージング(Well-ageing)の問題ということができよう。 イ. 国際都市整備 これに対し、国際都市整備は、やや視点が異なる。高齢化が必然的な流れとして受容しなければならない問題であるのに対し、国際化はむしろ推進していくべき課題である。 いまや、地域が国際経済と無関係でいられなくなっているのは、昨今の円高による地域経済の影響を見れば明らかである。しかし、その意味では地域の国際化は、円高による悪影響以外にはなかなか地域社会と直接関係がないと思われているおそれがないわけではない。しかし、今後、日本が世界との結びつきを強めていくということも、高齢化ほどではないにせよ、ほぼ傾向としては間違いないことであり、今まで、基本的には関係ない、又はあるとしても東京というチャンネルを通してのものであればいいとしてきた国際化の様相が大きく異なってくることもまた、確かなことだといえる。 とすれば、地方公共団体として積極的に国際化を推進し、時代を先取りした地域づくりを図ることもまた重要であるということができよう。 電通の予測によれば、本年は「意識開国」元年であるという。外国郵便が来たり、国際電話をかけたりすることが、ビジネスばかりでなく、人々の生活においてもごく当たり前のこととして行われるようになり、意識的にも海外に対し、目を開く年となるであろうというこの予測は、あながち見当はずれともいえない。 国際化については、従来の国際交流が、欧米豪諸国からの語学教師の受入れ、年に数人のこれらの国々への留学といったものに偏っているきらいがある。そういう国際化も一つのあり方であるのはもちろんであるが、街の標識にローマ字やハングル文字を取り入れたり、アフリカの難民キャンプに人を派遣したりというような全く違った角度からの国際化ももっと検討されてよいと思う。 ウ. 地域間交流 地域間交流もまた視点がやや異なるものである。 三全総における基本理念としての「定住」は、10年間の諸施策の中に取り込まれてきているわけであるが、「定住」理念を基本的に維持しながらも、そのことを動態的に把えた「交流」を新たな視座とすることにより、地域の総合的整備を進めていくことが、今後必要になってくると思われる。目下策定中の四全総においても、このことは取り上げられる予定であり、「定住と交流」の主体としての地域の整備、特に地方中枢・中核都市の育成が課題となるであろう。 リーディング・プロジェクトにおける地域間交流は、単なる物見遊山的な観光施設の整備ではなく、学習・参加・継続という観点を加味したものであるべきと考えている。 最も古典的な例としては、都市と農村間において、山村留学・都市学習等の事業を学校を中心として行うということが考えられる。いわゆる特別町村民制度の活用により、当該財政と一定の結びつきを持つ人々との交流をめざすということやそれにイベントをからませるということもありえよう。 A 計画策定までのプロセス これらの三課題に対し、市町村(広域行政機構でも構わないし、複数の市町村が連合してもよい。都道府県については、都道府県が中心となって進めるものについては、全く対象外とするものではないが、財政・企画力において十分とはいい難い団体の行うプロジェクトを支援しようとするリーディング・プロジェクトの趣旨からして、都道府県中心のものは優先度が落ちるという理解をお願いしたい。)は、一定の構想を作り、都道府県を通じて自治省に提出する(これは要綱第四(1)の手続きと同じであるが、第四(1)の方は、すでに推進計画としてできたものを提出するということであり、こことは意味が異なる。ここにいう提出とは「構想」を県を通じて自治省に提出し、ヒアリングを受けるという意味である。このことについては、要綱には出てこない。なお、要綱上指定都市については、直接自治省に提出することとしたが、管下市町村全体を把握するために、都道府県と連係を密にすることとしており、このことは要綱上の手続きだけでなく、構想段階からあてはまるものであることに注意。)。 自治省は、ヒアリング後、所要の調整を行い、採択を決定する。本年の場合、12月9日、10日にヒアリングを行い、1月21日に採択を決定した。この「採択」については、ちょっとややこしいが、「リーディング・プロジェクト推進計画」の採択ではなく、「リーディング・プロジェクト推進計画を策定するプロジェクトとしてふさわしい構想」の採択であり、各団体に対する通知は、あくまでも「リーディング・プロジェクトとして採択することを内定」したという通知になる。各団体は、この通知を受けて、当該構想を、リーディング・プロジェクトとしてふさわしいものとするよう、推進計画の策定体制を整備することとなる。 自治省としては、計画策定について、これまでなかった体制を採ることとしている。すなわち、推進計画を策定する組織(委員会など)に一構成員として加わり、国として、推進計画が、実現できるよう、助言、指導することを「十分な指導・助言」の一つとして考えるのである。計画そのものには、夢がなければならないが、また実現しなければ意味のないものになってしまう。 その夢は団体に描いてもらい、その実現のために必要なアドバイスを国の立場から行おうというものである。むろん、その際、各団体の自主性を尊重し、過度の介入にわたらないようにするのはもちろんであり、また、場合によっては自治省だけでなく、当該構想に関係する国の他の省庁からも支援が必要となれば、メンバーとして参加できるようにすることも考えている。 この計画の策定には、通常の場合、半年から一年を見込んでいる。構想の熟度により、期間の長短が出てくるものである。 B リーディング・プロジェクトの規模・構成 リーディング・プロジェクトの事業規模についてはおおむね10億円以上としているが、これは、民間事業等も含めた総事業費であり、当該団体の実施する単独事業のみの規模のことではない。これは、リーディング・プロジェクトが、特定政策課題に対する先導的・モデル的プロジェクトであることにかんがみ、あまりに小規模のものについてはふさわしくないものと判断したものである。 そもそもリーディング・プロジェクト自体は、当該プロジェクトの中に、団体の実施する単独事業があることを前提としているが、それに限られず、必要に応じて国庫補助事業を取り入れることや、民間事業をうまく活用することも含めている。 今回、採択したプロジェクトの中にも、いろいろな形で、それらを取り込んでいるものがある(例:園部町における各種教育機関の移転)。 C 採択件数・またいつまで続くか 採択件数は、年間10計画以内であり、今回は、三課題のバランス等も考慮し、九計画とした。よく、いつまで続くのかという問合せを受けるが、これらの課題(新しい課題が加わることもありうるが)に対する目新しい取組みがなくなれば終りであるということになろうかと思う。更に、全国的にモデルとなるようなプロジェクトに対する支援なのであるから、それにふさわしいものが出てくる限り、続くということになるのかもしれない。いずれにせよ、現段階でいつまで続くかは未定であるが、62年度や63年度で新規採択をなくするというものとは考えてはいない。 D 財政措置 リーディング・プロジェクトのうち、推進計画上中核的な単独事業として位置づけられているものに対しては地域総合整備事業債(特別分)の充当率を90%(通常は75%)とすることとしている。 62年度には、交付税への算入率の上限が55%となる予定であり、事業費を一とすると、算入割合は0.9(充当率)×0.55=0.495となり、起債対象事業者の約1/2が交付税措置されることとなる(なお、算入率の上限が55%となるのは、まちづくり特別対策事業、防災まちづくりにおいても同様である。)。 このほか、他の事業についてもできるだけ優先的な配慮を求めていく予定である。 推進計画策定費については、計画策定のための委託費、事務費を含め、十分に措置されることとなるよう調整を行っており、また、リーディング・プロジェクトの実施のために必要なソフト経費等についても、内容を見ながら、必要に応じ適切な配慮が行われるように努めていくつもりである。 E 担当部課 三課題がいずれも特定の分野に関する専門知識を有することから、リーディング・プロジェクトの担当課は、課題ごとに設けることとした。すなわち、長寿社会対策は自治省振興課、国際都市整備は同官房企画室、地域間交流は同地域政策課というものである。これらのとりまとめは、振興課で行うこととしている。 ![]() 3. 昭和61年度リーディング・プロジェクト 初年度のリーディング・プロジェクトは12月に入ってようやく推進要綱が示され、直ちにヒアリングという慌しい日程であったが、三課題併せて35プロジェクトの要望があり、そのうちから一課題三プロジェクトづつの九プロジェクトを採択した。これら要望のあったプロジェクトについて先導性、単独性、総合性、成熟性等の観点から検討を加え、採択を行ったが、諸々の事情により採択とならなかったプロジェクトの中にも素晴らしいものがあったことを申し添えておきたい。 昭和61年度採択のリーディング・プロジェクトの概要については、以下のとおりである。 (1)長寿社会対策 @健康と福祉の丘のあるまちづくり(宮城県涌谷町) [ポイント] 保健・医療・福祉の三者を有機的に統合、健康管理からターミナル・ケアまで一元的にサービスを実施することにより「安らかに生まれ 健やかに育ち 康らかに働き 和らかに老いる」ことのできるライフサイクルを確立する。 Aウィングエイティ山口(山口市) [ポイント] 人生80年をいきいきと過ごすことができるよう、まず山口市版「長寿社会対策大綱」を策定。これによりトータルビジョンを明らかにし、健康増進、文化・学習、人材・能力開発など多方面にわたる長寿社会対策の展開を行う。 Bプラチナ"愛"ランド(高知県中央広域市町村圏) [ポイント] すでに高齢者人口が20%を超える超高齢化地域において活老型社会システムの形成を行っていく。高齢者を地域の社会システムに組み入れ、若者だけに頼らず、自分達で地域を盛り立てていこうという、「ろうとぴあ」実現のための試み。 (2)国際都市整備 @園部コスモ・リサーチタウン(京都府園部町) [ポイント] 町内に仏教系の大学が移転してくるのを契機に、アジアの仏教文化を中心とした国際交流を行う。また、医療技術関係の短大、伝統工芸、情報通信技術、外国語の専門学校の開校も予定されており、内外の技術、情報、人材の交流がますます深まることが予想されることに対応するためのプロジェクト。 A国際平和文化都市整備(広島市) [ポイント] 「国際都市ひろしま」のアイデンティティを確立し、活性化を図るため、平和交流、経済交流、文化・スポーツ交流など総合的な国際交流事業を実施し、これを市民レベルにおけるひろしまの国際化の起爆剤とするための拠点整備プロジェクト。 B北九州国際都市基盤整備(北九州市) 国際交流の多面的展開を図るため、イベント(メッセ、コンベンション)を中心にした国際交流拠点及び技術研修、教育、研究等を中心にした国際交流拠点を設け、併せて付近の街並み、ウォーターフロントを整備するプロジェクト。 (3)地域間交流 @リゾートスポーツプラザ「ルネサンス棚倉」(福島県棚倉町) [ポイント] インドアスポーツからアウトドアスポーツまで20種類のスポーツを楽しめる一大リゾートスポーツゾーンを形成。ホテルも完備した恵まれた環境のもとでの町内外のスポーツ交流をめざす。 Aまくらがの古河21プラン「古河スポーツ旅行村」(古河市) [ポイント] 古河市はサッカー、バレーボール等において全国的にも高い水準を誇っており、市民のスポーツに寄せる関心は非常に大きい。そこで広大な渡良瀬川、利根川の河川敷を利用し、グループ、個人のレベルから大きな大会まで利用できる、スポーツを中心としたエリアを形成し、併せて、郷土理解のための資料館を整備する。 B星の郷"中世吉備の荘"いきいきまちづくりプロジェクト(岡山県美星町) [ポイント] 中世の"吉備の荘"の社会組織や文化を残し、歴史的にも特色を有する美星町の特性を生かし、中世の農家、中世三斎市の復元を中心とした各種交流施設の整備を行う。 4. おわりに リーディング・プロジェクトの生い立ちから、第一期生の誕生まで追ってみたが、実は第一期生にしても、これから計画づくりを行うのであり、いわば、希望大学に入学した新入生のようなものである。リーディング・プロジェクトは、これからが勝負、一所懸命、計画を作り、大いなる成果を遂げて卒業といきたいところである。 <資料> リーディング・プロジェクト推進要綱(昭和62年12月1日自治事務次官通知) 第一 趣旨 近年における我が国の社会経済情勢は様々な面で大きく変貌しつつあり、今後の地方行政は、高齢化、国際化、国民の価値観の多様化等の変化に的確に対応していくことが求められている。 このような状況にかんがみ、21世紀に向けての重要な地域政策課題(以下「特定政策課題」という。)となる長寿社会対策、地域レベルでの国際化、地域間交流等の事業に対する地方公共団体等の先導的な取組みを当該特定政策課題に係るリーディング・プロジェクトとして位置づけるとともに、これに対し積極的な支援を行い、もって地域社会の一層の発展に資するものとする。 第二 特定政策課題及び当該課題に係るリーディング・プロジェクト 特定政策課題及び当該課題に係るリーディング・プロジェクトは、当面次のとおりとする。 (1)長寿社会対策 急速に進展する人口の高齢化に対応し、人生80年時代にふさわしい地域社会の形成を図ることが緊急の課題である。このため、先般閣議決定された長寿社会対策大綱の趣旨に沿って、健康・福祉システム、学習・社会参加システム、住宅・生活環境システム等の整備に先導的な取組みをする地方公共団体が計画的に実施する事業をリーディング・プロジェクトとする。 (2)国際都市整備 最近における我が国の国際化の進展に伴い、地方公共団体が地域の振興、活性化のための一つの戦略として、地域レベルでの国際化を積極的に推進していくことが重要な課題となっている。このため、国際交流基盤の整備に先導的な取組みをする地方公共団体が計画的に実施する事業をリーディング・プロジェクトとする。 (3)地域間交流 地域間交流は、現在策定中の四全総においても、取り上げられる予定である。 地方公共団体においても、特性を生かした地域づくりを進め、地域アイデンティティの確立等を図る手法として、地域間交流事業の促進が求められている。このため、例えば都市、農村間交流型、地域イベント交流型、いわゆる特別町村民制度による第二のふるさと交流型等の地域間交流に先導的な取組みをする地方公共団体が計画的に実施する事業をリーディング・プロジェクトとする。 第三 リーディング・プロジェクトの内容 (1)リーディング・プロジェクトは、単独事業を主な構成要素としつつ、必要に応じ国庫補助事業も取り入れ、場合によっては民間事業との連携を図りながら実施するものとする。 (2)リーディング・プロジェクトは、当該特定政策課題に関し、他の地方公共団体のモデルとなるような事業であり、相当程度の事業規模を有するものとする。 (3)リーディング・プロジェクトの実施主体は、原則として市町村又は広域行政機構(以下「市町村等」という。)とする。 第四 リーディング・プロジェクト推進計画の策定 (1)市町村等は、リーディング・プロジェクトを推進するための計画(以下「リーディング・プロジェクト推進計画」という。)を策定し、都道府県を通じて自治省に提出するものとする。ただし、指定都市にあっては、道府県と連係を密にしつつ、直接自治省に提出するものとする。 なお、計画の策定にあたっては、市町村等は、学識経験者等の意見を聴すること等により、全国的にモデルとなりうる内容となるよう努めるものとし、これに対し、自治省は十分な指導、助言等を行うものとする。 (2)リーディング・プロジェクト推進計画は、特定政策課題に対応するための基本方針及び同方針を具体的に実施するための実施計画から成るものとし、実施計画の計画期間は5年以内とする。 (3)リーディング・プロジェクト推進計画の採択件数は、年間10計画以内とする。 第五 財政上の措置 リーディング・プロジェクト推進計画に基づく中核的な単独事業については、地域総合整備事業債(特別分)の充当率を90%とするものとし、その他の単独事業については可能な限り、地域総合整備事業債の優先充当を行うものとする。 なお、リーディング・プロジェクト推進計画策定等事務費について、特別交付税の算定上、適切な配慮を行うものとする。 |