| 「平成17年度ラ・サール学園長崎・佐賀・筑後 地区PTA総会」に寄せて |
この時期になると思い出すのが、高校時代の暑い夏だ。当時、佐賀市内に実家のあった私は、ダンボール箱いっぱいに本を詰め込んで夏休みに実家に帰ると「佐賀市立青年の家」に毎日のように出かけ、勉強していた。ときどき、中学時代の友達と会いながら、それぞれの学校での出来事をいろいろ語り合っていた。ラ・サールでの日々は愉しいことと厳しいこととが同じくらいの頻度でおきていて、それはそれで充実したものだったけれど、長期休みに実家に帰るのは何よりの楽しみだった。
何事にもオフがなければオンにならない。もちろん夏休みというのは完全にオフということではなく、リモコンでスイッチをオフにしている程度のものではあるのだけど、しばし、つかれた羽を休めて、次の学期に向けて英気を養ってほしい。保護者のみなさまにおかれてはぜひそういう気持ちで接してほしいと思う。
また、現役の生徒諸君には、そうして羽を休めながらもできるだけ多くのことを今の時期に頭の中に詰め込むことを心からお勧めしたい。私の体験でも、たとえば和漢朗詠集や長恨歌の一節だとか第二次世界大戦中にナチス・ドイツの傀儡政権の所在した政府の所在地のような知識が思わぬところで発揮することがあるのだ。
これからの社会において専門知識については当然身につけることが期待されることになるがそれだけでは十分ではない。その背景には豊かな教養と感性がなければならない。人生のある時期に強烈に頭と身体を酷使することは健全にして教養ある大人を形成していくために必要なものだと思う。
大いに学び、大いに遊び、実り多き夏としていただきたくよう心から期待する。
ラ・サール高校26期卒業生 佐賀県知事 古川 康 |
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