| 【オピニオン】★『地方分権改革・説明のススメ』 佐賀県知事・古川康 | |
| ※時事通信社i-jamp(ニュースサイト)のコラム「オピニオン」に掲載 | |
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「福祉施設を経営するAさん、やっと資金繰りの目途もつき、2005年4月のオープンを目指し施設を2004年度中に建て直すことを決意。国への計画書も出し、県も予算化、着々と準備は進む。そんな中、夏になって急に国から「補助金枠の都合で2カ年事業に!」との通知。釈然としないまま、Aさんは仕方なくオープンを7月にずらして工事に着手。ところが、秋になって国から今度は「やっぱり単年度事業で!」。すでに工事、資金繰りは7月オープンの計画で進められており今さら計画の前倒しはできない。Aさんは国の補助金の都合に振り回されてしまった。」 これは、佐賀県で起きた実話だ。この話で最も迷惑を受けたのは、Aさんや、施設を利用している住民の方々である。4月オープンが、3カ月も延期させられてしまった。しかも国の一方的な都合で。地方6団体は、地方分権改革を推進している。しかし、国民から見て、この運動はわかりにくい。「コップの中の争い」と思われているのが、悲しいが現実だ。その理由のひとつに、分権改革が進むと、行政サービスはこうかわります!皆さんの暮らしはこんなによくなります!という「改革後の姿」を、行政サービスの受益者の視点からしっかり説明してこなかったことにあると思う。 改革を主張するものは、改革の結果どうなるという説明責任を果たさなければならない。地方分権改革も同じだ。そこで、佐賀県は「未来予想図」と題した説明資料を作成し、全国知事会や各都道府県に送付した。県のホームページでも公開している。「改革の目指すもの」を一人でも多くの方に理解してもらえるよう、全国の関係者の皆さんにいろんな場所で使っていただきたいと考えている。 「未来予想図」には、冒頭の事例も掲載している。施設整備費補助金が一般財源化されたときの効果は、「自治体が予算措置をする段階で計画を把握しているので、国のように行政の都合で突如変更することはない」ということだ。 今、このオピニオンを読まれている行政関係者の方々にとって、冒頭の事例も一般財源化の効果も当たり前かもしれない。しかし、私たちにとっては当たり前でも、国民・住民の方には「へぇ〜」と思われることは案外多い。今説明すべきはそうした「へぇ〜」ネタだと思う。補助金行政の弊害について小さなことでもどんどん発言することで、「行政サービスに対する国民の満足度を高める」「限られた税収の生きた使い方をする」という地方分権改革に関する理解が深まるのではないかと思う。 衆議院が解散された。郵政だけでなく、地方分権改革もこの国の行方を左右する政治課題である。政党、候補者、そして有権者の方に、地方分権改革が目指すものを理解していただけるよう、今回の選挙をひとつの好機と捉え、地方自治を担う一人として汗をかいていきたい。 |
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| (了)(2005年8月19日) |